8月25日 手術

 さて、今日は手術の日。昨夜の9時から絶食。水分は朝の6時から禁止。びろ~な話で恐縮だけど、お通じがなければ7時におカンチョ~。手術中は筋肉が弛緩しているので、おなかにたまっていると漏らしてしまうこともあるとの話。そんなことになったら大変なので、お腹はきれいにしておかなくては。

 

 8時半までに術衣に着替え、8時45分になったら看護師さんと手術室へ。前回同様、手術室のあの張り詰めた雰囲気に「かっちょいい!!医療系ドラマを見ているみたい!!」となった。看護師さんも医師の方々も、皆さん凛としていてカッコいい。

 

 手術は前回経験しているので、だいたいの流れは分かっていた。いや、分かっていたからこそ緊張する。と言っても点滴に麻酔薬が入ったら一瞬で「んがーーーー」となった。でもって、「●●さーーん、深呼吸してださい」という声で目が覚める。その間、体感的には「あっという間」。でも時間を聞いたら11時半とのこと。そっか、麻酔が覚めるまで2時間半だったのね。

 

  麻酔が切れてくるとズキズキしてくるけれど、これも想定内。看護師さんに頼んで痛み止めを点滴に入れていただいた。すーっと楽になる。熱が出たので看護師さんが氷枕を持ってきてくださった。極楽。同じ姿勢が続くと床ずれになるとのことで、看護師さんが枕を足の下に挟んでくださる。快感。ああ、この甘えん坊生活が永遠に続けばいいのに…

 

 かくして世は更けていった。外から遅い時刻の電車の音が聞こえる。それも聞こえなくなり、真夜中だと分かった。無事、手術が終わってよかった。家族にLINEで無事である旨を伝え、私もまたうとうと…

 

 

 

 

8月24日 再び入院

 久しぶりにこの日記を再開する。ぬゎんと!4月の右側に続き、今度は左側も人工股関節を入れることになったのだ。間が4か月というのは、かなり早いらしい。お隣のベッドの方は1年の間を空けたとおっしゃっていた。私はせっかちなので、「ええい、さっさとやっちまおう!」となったのである。

 

 4か月ぶりの病院はとても懐かしい。看護師さんも何人かは覚えていてくれて、カルテを見る前に「あれ?前にも入院されましたよね?」と言ってくださる。うれしい。そしてイケメン理学療法士さんも覚えていてくださった。「たしかドイツ語の方ですよね?」と。

 

 手術前日の入院となるのは前回と同じ。朝9時半に来て手続きを済ませ、病棟へ案内していただく。ちなみに入院の前日、すなわち昨日の朝、PCR検査のために唾液を採取して病院に提出している。陰性なら入院OKかと思いきや、入院当日にも再度PCR検査が行われた。この感染の状況だから仕方がないのだろう。

 

 股関節の手術は、どちらかというと「不要不急」の手術。もしかしたらコロナの感染拡大を受けて延期になるかな?と覚悟していたのだけど、どうやら予定どおり行われる模様。医療関係者の方々は大変そう。医療機関もひっ迫している中、なんだか申し訳ない気がする。

 

 さて、今回も当然「入院ほにゃくライフ」を送る。お仕事もがっつりある。ただし今回は映像の持ち込みがNGだったので、やり方を変えないといけない。制作会社のご担当者がアップロードしてくださった映像をオンラインで見ながら訳を作っていく方法。普段はパソコンに取り込んだ映像を字幕制作ソフトで開き、訳を直接書き込んでいくのだけどそれができない。しかもベッドで病院のWi-Fiをつなぐことは禁止されているのでこまめに映像を見ることはできない。ちょっとやりにくいけれど、「昔取った杵柄」で、映像を頭の中で再生しながら訳していく方法を思い出して頑張る。

 

 さてさて、今回もオヤツをたんまり用意して臨んだ。1階にあるコンビニでコーヒーを買い、カーテンをしっかり閉めての隠れ食い。これが最大の楽しみ。えへへ。今回は娘がサダハルアオキの焼き菓子とベル・アメールのチョコレートを持たせてくれた。2週間ちびちび食べるぞ!

 

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 明日は手術。9時以降は絶食、朝の6時以降は水も禁止。7時におカンチョ~してもらい、9時から手術である。stressfrei, schmerzfrei のすこやかほにゃくライフを目指して頑張るぞ!

6月19日 手術から2か月半

 早いもので手術から2か月半が経った。どこまで書いたか忘れてしまったのだけど、入院仲間に紹介してもらったクリニックでリハビリを受けることになった。そして今日がリハビリ初日。

 

 なんと予約は朝の9時。朝9時にキティちゃんやぽむぽむプリンがいる駅まで行くには、8時前に家を出ないといけない。しかも土曜日。ね、眠い…

 

 しかし頑張って早起きし、9時前にクリニックに着いた。リハビリは9時ちょうどにスタート。あちこち診ていただいたところ、股関節周りの筋肉がまったく使えていないことが(再び)発覚。先生がぐりぐり押してくださるのだけど、それがえらく痛い。「イテッ」と言っちゃうくらい痛い。長い間、骨盤で歩いていたからなのね。

 

 理学療法士の先生の指導に従い、百均でテニスボールを購入。自宅でそれをお尻の下に入れてグリグリすることになった。さらに横向きになり、お尻の横のところもグリグリ。これが痛い。

 

 それ以外にも筋肉を鍛える体操を教わり、それをしっかり続けることになった。次の予約は2週間後。それまで頑張らなくては。

 

 

 

6月3日 手術から8週間

2か月経った。手術したほうの股関節はだいぶイイ感じ。E気持である(これが分かる人は昭和♬)。しかーし。髪が抜けた気がする… いや、「気」ではなく、確実に減った。入院中、枕にかなり抜け毛た落ちていて「ギョギョ!」となったのだけど、これはやっぱり手術の影響なのだろーか… 帰宅してからも、髪を洗うたびにかなり抜けている。私はもともと毛が多く、剛毛系なのが悩みの種だった。「ああ、半分くらいになったらラクなのに…」といつも思っていた。母も祖母も、亡くなるまでフサフサ。介護の方も驚くほどだった。だから私も一生、抜け毛とは無縁だと思っていた。

 

 

     なのに!!!

 

 

前髪が明らかに減った(涙)。さすがにE気持とは言ってられない。E電くらいヤバイ。これは元に戻るのかなぁ… いや、若い頃の髪の量には戻りたくないけれど、せめて手術直後くらいには戻りたい。枕についた抜け毛におののくなんて、世の男性は気の毒だと思った次第(←コラ)

 

特に貼る画像もないので、ガクアジサイの画像を貼っちゃうぞ。ピンクのほうは「ダンスパーティー」という種類らしい。も、もしかして「ダンパ」?いや、これは死語か。

 

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5月30日 手術から7週間とちょい

3日前の木曜日、術後の検診に行ってきた。この日はあいにくの雨。転ぶとヒジョ~に危険なので、ゆっくりゆっくり歩いて病院へ。診ていただいたところ、右はだいぶいい感じのようだ。まだしびれは取れていないのだけど、先生のご説明では、「表面的なしびれなら大丈夫」とのこと。足全体がしびれていたり、足の深いところがしびれているとヤバイらしい。表面なら想定の範囲内とのことだった。それ以外の痛みもなく、傷口もきれいな一本線になり、湯船に浸かるのもOKとなった。嬉しい。久しぶりの湯船である。

 

術後の経過がよく、痛みから解放されると反対側の股関節が気になってくる。痛みはむしろこちらのほうがひどかった。しかし軟骨のすり減り方は圧倒的に手術をした股関節のほうが進行していたとの話。あと1~2年待つ選択肢もあったのだけど、思い切ってこっちもやることにした。

 

もう少し先だけど、また入院ほにゃくライフを送ることになりそう。仕事の状況や家族の生活を考えて時期を決めなくては。このブログも不定期の更新ながら、まだまだ続きそうであ~る。

 

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5月23日 手術から1か月と2週間ちょい その2

その2とは…

 

手術をした右股関節は順調に回復している。くしゅくしゅっと縫い縮めてあった傷口は、体内で糸が溶けたのだろう(←「糸が解けたのであろう」と書くと、別の意味になっちゃう。漢字ってスゴイ)。「あれ?」って感じがして、突然伸びた。傷口は見事な一本線となり、ひきつれる感覚も無くなった。スゴイ。ただし周囲の筋肉は固まったまま。これは辛抱強くリハビリでほぐすしかないのだろう。

 

ところが~~ 今度は左の股関節が痛くなってきた。いや、前から悪かったのだけど、右ほどではなかった。右は末期、左は進行期と診断されている。右がよくなれば、左の負担も減って良くなるのでは?と勝手に自己診断していたのだけど、甘かった。痛い。痛いのである。トホホ。

 

同じ病室に入院していて仲よくなった股関節シスターズに相談すると、皆さん術後もリハビリに通っておられることが分かった。手術してもらったところは大病院なので、術後の外来によるリハビリは行っていない。小さな病院を探さなきゃ~とは思っていたのだけど、どこがよいのか分からない。ちょっと遠いけれど、私もシスターズと同じクリニックへ行ってみようかと思っている。月に2回ならなんとか通えるかな。そこで、左も手術すべきかどうか相談してみよう。

 

…というワケで、もう一度、ほにゃく入院ライフを送るかもしれないと思っている。やれやれ。

 

 

 

 

5月22日 手術から1か月と2週間ちょい

こちらのブログはちょっぴりご無沙汰。この間、股関節がらみでイロイロあった。愚痴をコボすのは恥ずかしいけれど、いいことばかりじゃないのでコボさせてくだしゃい…

 

その1)

入院中にほにゃくしたシリーズ物のクライアントチェックが戻ってきたのだけど、出来が悪かったらしく、ちょっと言われてしまった。「入院ほにゃくライフ♬」なんて調子に乗っていたけれど、やっぱり無謀だったのかと落ち込んだ。入院の予定があるなら断るべきだったのかもしれない。だけどこのシリーズは本来2月に来るはずのものが2か月も遅れ、入院と丸かぶりだったのだ。好きで入院中に仕事をしたのではなく(いや、好きだけど)、入院中も進めないと間に合わないというのが実情。

 

「あんなに無理して、痛みを押して頑張ったのに… 同室の患者さんたちが気持ちよさそうに眠っている中、私はひとりパソコンに向かってほにゃくしていたのに…」と滝のように涙が出た。

 

しかーし。その後、頭を冷やした。大元のクライアントからすれば、末端の翻訳者が入院しようが手術しようがそんなのは関係ないのだろう。←こう書くとフテくされているように響くかもしれないけれど、そうではなく、クライアントにも上映や放映の都合がある。映像素材の到着が遅れたのであれば、日本での作業で挽回するしかない。自分は末端の作業者(←決して拗ねて言っているのではなく)であるという事実を改めて認識した。と同時に、成果物で勝負の世界なのだということも。入院中であろうとなかろうと、完璧な翻訳をあげなくてはすぐに消えてしまう。若くて優秀で仕事が速い翻訳者さんは山のようにいる。老骨にムチ打ってヨロヨロ翻訳しているようじゃ、もう太刀打ちできなくなるだろう。そんな現実にあることも痛感した。

 

冷静になれば、こういう事情はすんなり理解できる。だけどチクリと言われた日はそこまで余裕がなくて、久しぶりに泣いた。同業のお友達で作っているグループ LINE でコボしまくったら、みんな優しく慰めてくれた。ああ、友達って本当にありがたい。私が鬱陶しい愚痴をしつこくコボしまくっても、みんな受け止めてくれる。ありがたや~ありがたや~。みんな、ごめんね。本当にありがとう。

 

 …ということで、今日もせっせと頑張るほにゃく犬である。あと10年…などと贅沢は言わないけれど、せめてあと7年はほにゃくの仕事を続けたい。日々精進である…。

 

人工股関節の手術を受けるぞ!

 長年、変形性股関節症の痛みに悩まされてきた。股関節のクッションの役割を果たしている軟骨が摩耗し、骨盤の臼蓋(股関節を受ける、受け皿になる部分)と大腿骨の骨頭(先っちょ)が直接あたり、変形してしまう病気。もともと臼蓋が小さいらしい。だからいわゆる「応力集中」がおきてすり減ってしまうとの話。特に女性に見られるそうで、これに悩まされている人はとても多いらしい。

 

 これまで毎年2回ほどドイツへ行っていたのだけど、回を重ねるごとに町歩きがきつくなっていた。できるだけ徒歩の部分を減らすため、行く前から市電や地下鉄の路線図を調べ、最短距離で回れるように工夫したり、ちょっと離れたところにある場所は行くのを諦めたり。夜はシップを貼りまくって寝た。痛み止めも手放せなかった。

 

 しかーし。そういう工夫ももう限界。日常生活にも支障を来すようになってきたので決心した。どうせコロナ禍でどこにも行けないのだから、この間に手術をしてリハビリも済ませ、克服してしまおうと。

 

 しかーし。ほにゃく仕事は絶対に休みたくない。クライアントや制作の方々に迷惑をかけるのは不本意だし、NO ほにゃく、NO ライフの私。最近の病院は Wi-Fi も通っているし、みんなパソコンを持ち込んで仕事をしているとの話。そだ!私も入院中に仕事をすればいいんだ!家事がない分、むしろはかどるかも?

 

 …根が単純なワタシはそんなことを考えてさっさと病院で手術を予約。手術日は4月の7日と決まった。病院は股関節外来があり、股関節の手術ではとても評判のいい某所。駅近で、交通アクセスもすごくいい。話はトントン拍子に進み、手術の前日に入院することになった。さて、わくわく入院ほにゃくライフの始まりであーる。私の期待どおりの充実ライフが送れるのだろうか・・・? (続く)

 

 追記:セキュリティの問題があるので、入院中に翻訳をする場合はクライアントの許可を取ることが必須!今回、私は事前に伝えて了承していただいている。

 

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         ~もくじ~

 

 


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4月6日、手術前日に入院

 さて、手術前日となった。今日から入院ほにゃくライフが始まる。病院で事前にもらったパンフレットに用意するものが書いてある。それに加え、充実したほにゃくライフのために用意したものを下に書いちゃうぞ。

 

・パソコン (わざわざ新しいのを買った!画面が大きいほうがいいかな、と思って。)

・USBメモリ(病院のWi-Fi はあくまでも調べものやLINE用で、納品には使わないつもり。なので、USBに保存して宅配便で納品する予定)

後日追記:納品日が後ろに延びてくれたので、病院から納品する必要はなくなった。よかった。セキュリティが心配だったので、できればやりたくなかったから。

 

・映像を入れた外付けHD(パソコンをできるだけ軽くしたいし~)

・SSTのドングル

・電子辞書

 

上にも書いたけれど、セキュリティには気を遣う。鍵がかけられるコロコロのキャリーを持っていき、大きなものはそれに入れて鍵をかけ、さらに鍵つきのワイヤでベッドに固定。手術中、および麻酔から覚めるまでの間、さらにリハビリでベッドから離れる時はそれに収納した。

 

また、小さなもの(USB、ドングルその他)はベッド脇のセーフティ・ボックスに入れた。

 

翻訳中は接続を遮断。ネットでの調べ物はまとめてやり、その間は映像やデータが入っているUSBメモリをパソコンから外した。念には念を。

 

************

 

☆翻訳以外のブツで欠かせないもの

 

・上等なオヤツ(病院にはコンビニがあるけれど、上等なお菓子は売っていない。娘がデパ地下で厳選して買ってきてくれた。NO おかし、NOライフのワタシとしては欠かせないものの1つ)

・小さな魔法瓶 (後日追記 これを今回、持っていくのを忘れてしまって後悔した。病院のコンビニではホットコーヒーが売られているのだけど、紙コップではすぐ冷めちゃう。みんなポットに入れていて、羨ましかった。)

 

・ふりかけ(定番!病院の食事を少しでもおいしく)

・マジックハンド (手術後はベッドから動けないし、術後もしゃがめないので落とした物は拾えない。私は持っていなかったのだけど、病院から長いくつべらをお借りしてそれで代用した)

・可愛いパジャマとハンドタオル (滅入りがちな入院ライフ、可愛いとテンションが上がる。タオルは多めに)

 

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4月7日 手術当日!

 いよいよ手術当日。そもそも入院するのはお産以来だし、全身麻酔なんて初めて。前日は21日以降は食事禁止。そして当日の6時以降は水もダメ。手術は9時からということで、朝8時には手術用の上っ張り(名前分からず)に着替えた。そして看護師さんと一緒に手術室へ。

 

 手術室に着くと、まるで映画かドラマのワンシーンのような光景が目の前に広がった。手術室のチームはみんな濃紺の術衣。か、か、かっちょいい!!そしてすぐ脇に水道の蛇口が並んでいる。む、ここでみんな手をきれいに洗うのね。うんうん、ドラマでよく見る光景だ。そしてそのあとは、手袋をして両手を上げたまま雑菌がつかないようにする。そう、例のポーズよん。かっちょいい。

 

 そして彼らの交わす会話は、ドラマそのもの!「ああ、今のセリフ、字幕に使える!」「あ、その専門用語、メモしたい!」とついつい思ってしまった。職業病である。

 

 手術台に上って横になるのだけど、不思議と緊張しない。まな板の上の鯉ってこんな感じか?と考えていた。そうこうするうちに酸素マスクがつけられ、あちこち管でつながれ、点滴に麻酔薬が入った。ん?ちょっとしみる。なーんて思っているうちに・・・

 

 

     んが~~~zzzzzz....

 

 

 次に目が覚めたときは、もうすべて終わっていた。さよなら、私の右股関節。今まで頑張ってくれてありがとう。もうヨレヨレだよね、ごめんね、たくさんドイツの街を歩かせて。ようこそチタンの股関節君。これからよろしく頼むよー。

 

 麻酔は事故もたまにあるというけれど、幸いにも私はすぐにシャバに戻れたらしい。目が覚めたときの記憶は「あ、今エレベーターに乗っているんだな」。あの独特のふわっとした感覚をよく覚えている。

 

 しかーし。麻酔から覚めたあとは痛かった… 右脚は全体的にしびれているくせにズキズキする。手術後は脱臼しやすいから寝返り厳禁。ずっと同じ姿勢で寝ているから背中も腰も痛くてたまらなかった。

 

 麻酔の時に気管挿管/抜管された関係で、のどもチョ~痛い。文字通り絞り出すように声を出して看護師さんに泣きつき、痛み止めの点滴を追加してもらってようやく眠れた次第。

こ、こんな状態で充実の入院ほにゃくライフは送れるのだろうか・・・?

 

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右左を間違えないようマーキング。

 

 

4月8日 手術翌日

 痛み止めの点滴が効いたらしく、そのあとはすっと眠くなった。コロナのために病院は面会禁止。家族も来られない。さすがに心配するだろうと思い、看護師さんにスマホを出してもらい(セーフティ・ボックスに入れておいた)とりあえず無事であることを報告。そしてんが~~っと寝た。

 

  翌朝、ようやく食事。手術の日は何も口にしていなかったので、おなかがすいた。病院食はとてもお上品で控えめな味付け(爆)だけど、飢えていたワタシはおいしくバクバク食べた。手術翌日からリハビリが始まる。最初はベッド脇に置いた車いすに座れたら合格。それで終わり。

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 しかーし。点滴はつけたままだし、おしっこの管もまだ入ったまま。ベッドから起き上がるのも一苦労。我慢できないほどではないものの、右脚は股関節を中心に痛む。この夜もまた、痛み止めの点滴を入れてもらって就寝した。

 

 明日あたり、入院ほにゃくライフを始めることができるんだろうか…

 

 

4月9日 手術から2日後

 やれやれ、ようやく2日が過ぎた。そろそろ充実入院ほにゃくライフを始めたいところ。ところが朝の検温で微熱があることが発覚。手術後に微熱が出るのはよくあることらしい。7度6分くらいなので大したことはないのだけど、やっぱり頭がフラフラする。こりゃほにゃくは無理。頑張ってもロクな訳は出てこないだろう。

 

 ほんの少し進めたけれど、断念して横になった。午後からはリハビリ。この日は車いすで動けるようになることが目標。うん、意外といい感じ。そして動けることが何よりもうれしい。おしっこの管も外れ、点滴も卒業した。夜寝られるかどうか不安だけど、まあいつまでも点滴に頼るのはよくないだろう。抜いたらスッキリ。

 

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 手術の傷の跡はキレイだと言われたのだけど(最近は縫わないのね。びっくりしましたよ、あたしゃ。テープで留めて、その上からさらに保護する幅広のテープを貼って終わり。ただし太もも全体がなんとなく熱を持っていて痛い。ちなみに私の傷は太ももの前、少しだけ右端に寄ったあたり。手術の方法はいくつかあるらしく、太ももの横を切る方式もあるんだとか。ビキニなんて着るわけもないので(笑)傷が残っても平気。

 

訂正:縫ってあった💦💦 ただ、昔のような縫い方ではなさそう。そして抜糸もない。どういう風に縫ったのか知りたいような、知りたくないような… 今は傷口は大きく盛り上がっているけれど、何か月かするとまったいらになるらしい。

 

 そんなわけで、2日後もほにゃくは断念。

 

 

 

4月10日 手術から3日目

 3日目に入ったころから、元気が戻ってくるのを実感した。車いすで院内を自由に動けるようになったのも大きい。整形外科病棟は10階なのだけど、1階にコンビニがある。そこでコーヒーを買うのが楽しみになった。まるで「はじめてのおつかい」である。

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 リハビリも順調。杖で歩く練習をした。長い間、痛い右股関節をかばって歩いていたので、変な歩き方が身についてしまったらしい。「正しい歩き方」を取り戻すのがこんなに難しいとは。また、軟骨が摩耗したことで右脚は1センチほど短くなっていたらしい。今回、再び左右差がないように調整してくれているのだけど、なんだか違和感。右が長いように感じられる。これは錯覚だそうだ。片方が短い状態に体が慣れてしまっているため、左右差をなくすと違和感が残ると。これも克服課題。

 

 それ以外にも「自主練メニュー」を考えていただき、暇を見ては病室で頑張っている。先生から教わるのは1日50分。その短い時間にたくさん吸収しようと貪欲になる。

 

 元気が戻ってくると、がぜんほにゃくをしたくなる!強制でも義務感でもなく、とにかくほにゃくしたい。また、ほにゃく仕事があるということがいかにありがたいか、改めて痛感した。うん、ほにゃくとドイツ語は大好きである。

 

 

 

 手術から3日目、入院ほにゃくライフが始まった。

 

 

 

 

4月11日 手術から4日目

 4日目になると、だいぶ気分も上向いてくる。え?初日からテンション高めだっただろって?ワタシは血圧は低めだけどテンションは普段から高めであーる。当社比で手術直後はテンションが下がっていたのであった。

 

 リハビリも順調。杖であちこち歩いていいという許可が出た。気分転換を兼ねて、病棟内を歩き回った。ただし手術をした右脚は、太ももを中心に腫れてパンパン。皮膚が伸びて、もうぴちぴちである。こんなに張り(?)が出たのは何十年ぶりかって感じ。まだ伸びしろがあったのね、ワタシのお肌ったら。

 

 長年、私は股関節をかばって骨盤で歩いていたらしい。右脚を前に出すとき、普通の人は周囲の筋肉を使って動かす。私はそれができないので、骨盤ごと前に出していたそうだ。その歩き方がなかなか治らない。何より、手術後で脚の付け根から太ももにかけてパンパンでしびれているので、感覚がいまいち分からないのだ。うーむ、歩くことがこんなに難しいとは。

 

 それでも進歩が感じられるのはうれしい。先生も看護師さんも理学療法士さんも褒めてくださる。「褒めて伸ばす」教育が行き届いていると感じた。うん、やはり人間は褒められてナンボなのよね。

 

 テンションが上がるとほにゃくしたいという気持ちも高まる。だけど誤算があった。同じ姿勢を続けられない…!座っていると脚の付け根が痛くなるので、立ってみたり、お尻にクッションを入れたり。これは時間の経過とともに改善するだろう。

 

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 リハビリを終えると心地よい疲れ。こっそり持ち込んだ「上等なオヤツ」がほんとに嬉しい。コンビニでコーヒーを買い、ベッド周りのカーテンを閉めてひとり Kaffeepause。ヤバい。自分のベッドの居心地がどんどん良くなる…

 

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